双子座

天空に浮かぶ双子座は長方形に似た形を成しており、一等星がカストル、二等星のポルックスと神話の兄弟と同じ名をつけられた星が瞬いています。
双子座のことを語る前に、まずは双子座のギリシャ神話を紹介しましょう。
大神ゼウスが多くの恋物語を残していますが、双子座の神話の発端も、同じです。ゼウスはスパルタの女王レダと恋仲になり、双子の男の子を生ませました。名前はカストルとポルックス。カストルは馬術の達人で、ポルックスがボクシングの達人になりました。仲がよく、いつも2人で協力しあえる兄弟でしたが、2人には大きな特徴の差がありました。カストルは人間の母、レダのように命に限りのある人間でした。一方、ポルックスはゼウスの血を引き継ぎ、不死でした。

ある日、2人は争いを起こし、カストルが亡くなってしまいます。その仇を取った後、ポルックスは嘆き悲しみ、兄と一緒に黄泉の国へ行きたいと願います。これに同情したゼウスはポルックスを不死から解放し、カストルと一緒に天空へ上げたとされています。

情熱と冷静さ、強気と弱気、が同時に介在するのが特徴。

2人で一つの星座になったカストルとポルックスのように、双子座の人には二面性があると言われています。心の中に二つの人格があるように、情熱と冷静さ、強気と弱気、それが同時に介在するのが双子座の特徴です。
この間まではジョギングに夢中だったのに、今はゴルフに一生懸命、というように興味をころころと変える、この間、言っていた意見と今日はまったく違うことを訴えている、その変わり身の早さに驚いたことがある人も少なくないのではないでしょうか。


双子座の支配星は知性とコミュニケーションの星、水星。

双子座の支配星は水星です。水星は知性とコミュニケーションの星と言われています。特に双子座では分析する力が強く作用されています。
双子座の人は「知る」ということに対する願望が強く、最新の情報へのアンテナが非常に鋭いところがあります。
では得た情報はどうするのでしょうか。二面性のある双子座ですから得た知識をそのまま飲み込まず、自分の中で分析します。この情報は自分にとって凄く得だと思う、という意志と、本当に得かどうか考えてみよう、とする意志がぶつかるのです。
そして分析した結果、自分にとって有効であるとなった情報を駆使して、人間関係や仕事で活用していくのです。


幅広い人脈を広げていくことが双子座の本能。

人間関係にも「知りたい」という情報は大切です。双子座の人は会話を大切にします。それは相手からなんらかの情報を得られることができるからです。新しい情報をもたらせてくれる相手を探し続け、そして人脈を広げていく、これは双子座の本能です。彼らの社交には情報交換は欠かせないものなのです。ですから興味が変わる度に、交友相手が変わっていくことになるのです。
趣味の友人、仕事仲間、グルメ仲間というように幅広い友人関係を築いている双子座の人は多いものです。


風のエレメントの双子座は情報や知恵を重要視。

占星術では12星座は火、地、風、水の4種類のエレメントに分けられます。
双子座は風のエレメントです。風のエレメントが示すのは「思考」。情報や知恵を重要視するので、大切な判断をするときに、あの人が可哀想だから、あの人があんなに一生懸命だから、と情に流されることは少ないでしょう。
夢中になっている趣味があったとしても、あらゆる情報を分析した結果、自分がその道で大成することがないと分かれば、興味を別に移していく。そういったクールな物の見方ができるのです。 しかし周囲の人からは、彼らの頭の中身は分かりません。そのため、移り気な人、という印象を持たれやすいのですが、その短い時間の中で、彼らは彼らなりの葛藤を抱え、結果を導き出しているのです。そのため諦めが速いように見えたり、優柔不断に見えてしまうのでしょう。

もし、双子座の人が、何度分析してもこの努力はうまくいきそうもないけれど、でもやっぱりこれを成し遂げたい、という強い意志と勇気を持てば、可能性はいくらでも広がっていきます。忍耐力そして意志力を養うことは、双子座の人の人生に大きなプラスをもたらすことになるでしょう。


柔軟性と順応性で、変化には強いが人の意見や情報に影響されやすい。

また占星術では活動宮、不動宮、柔軟宮の3種類に12星座を分けることもあります。双子座は柔軟宮にあたります。
柔軟宮の性質は文字通り柔軟性と順応性になります。変化には強い星座ではありますが、人の意見や情報に影響されやすいところもあります。意見をころころと変える人が多いのは、この特徴が強く現れているのでしょう。双子座の人の知恵が利くという特徴もこの柔軟性の現れです。相手の反応に合わせてリズミカルに会話を展開していく、話し上手な双子座は多いでしょう。知りたがりやなので、ウワサ話に興味津々になるなどミーハーなところもありますが、人に好感を持たれるコミュニケーション能力を持っています。

踏み込みすぎない人間関係を好みますので、広く、浅く、人間関係を広げていきます。恋愛にも気軽に飛び込んでいきますが、情欲が入り乱れたどろどろとしたものは苦手です。友人から恋人に発展といったカップルも多いでしょう。異性を振り回す小悪魔が多いのも双子座の魅力です。無邪気で、相手を縛らない代わり、自分も自由でありたいと願います。失恋しても、立ち直りが早く、次の恋を目指しますが、これは薄情だからなのではなく、次の可能性を見つけ出すアンテナ力が鋭いからなのでしょう。


双子座のテーマは「個人としての可能性の模索」。

占星術では天体を12の宮に振り分けこれを黄道12宮(または獣帯)といいます。太陽はこの12の宮を一年かけて移動していくことになります。
双子宮に入っているときに生まれた人が、占星術では双子座になります。
黄道12宮は金羊宮(牡羊座)からスタートするので、双子宮(双子座)は3番目になります。
1番目の牡羊座のテーマは「自我」、2番目の牡牛座のテーマは「所有」そして3番目の双子座のテーマは「個人としての可能性の模索」になります。好奇心を押し広げ、恋、仕事、人脈開拓、趣味にとあらゆることに可能性を見出そうとするのが双子座の人なのです。


恋人
それではタロットで双子座を調べてみましょう。双子座に紐づけられるタロットカードは「恋人」です。
ステラタロットでは幸福そうな男女が2人手を取り合っている姿が描かれています。美しい花も描かれ、とても幸福そうに見えます。
しかし、女性は顔を男性からそらして正面を向いています。これは目の前の愛を信じきれない優柔不断さを表しています。幸福な愛を信じたいのに、疑問を感じてしまう矛盾。それは双子座の人が抱える二面性と似通ったものであると言っていいでしょう。

このカードは、幸福は約束されていますよ、勇気を持って飛び込みなさい、というメッセージを送っています。
これは、分析能力が鋭い故に、情熱のままに飛び込んでいけない双子座の人への助言であるのかもしれません。