カイロ(エジプト)


カイロ



タロットによって、エジプトに導かれた私

長年、タロット占いをしてきた私にとって、エジプトは憧れの地であり、また、訪れなくてはならない国でもありました。というのも、タロットとエジプトには深いつながりがあるからです。

18世紀の後半、フランス人牧師アントニオ・クール・ド・ジェブランが、「タロットは、古代エジプトの神の教えを記したものである」という記述を残しました。ジェブランは、タロットの絵柄が、古代エジプト文明の神秘と叡智をシンボリックに表現しているものであるとしました。また、19世紀、イギリスの神秘主義者アレイスター・クローリーは、私も愛用するタロットの名作「トートのタロット」を制作しています。「トート」とは、トキの頭を持つエジプトの智恵の神のことです。そうしたことからタロットをエジプト起源であるとする説もあるほどです。


ギザの町並みの向こうに現れた異空間……

今回のエジプトの旅は、友人数名を誘ってのなごやかなものでした。しかし、私は心の中に密かに緊張感を抱いていましたピラミッドをはじめとする強烈な霊的スポットに立ち入るのですから、そこで感じるエネルギーは尋常なものではないはずです。そして、そのエネルギーは必ずしもプラスのものとは限りません。私はカイロに到着したその瞬間から、邪悪なものを寄付けないよう、一種のバリアを全身に張ったのです。

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カイロ滞在の2日目、念願のピラミッド訪問が叶いました。カイロ中心部からバスで三大ピラミッドがあるギザの町へ。40分ほどバスに揺られると、ビルが連なる町並みの向こうに突然、ピラミッドの頭が見えてきました。砂漠の真ん中にあるイメージが強いピラミッドですから、少々意外な気もしました。

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しかし、いざピラミッド全体が見える場所まで来ると、その偉容に言葉を失いました。「ここは、異空間である」――それが、最初に感じた印象でした。そこは、周囲とまったく違うエネルギーに満ちていて、淡いブルー、藍色、そしてそれらとは正反対の燃え立つような赤オーラを見ることが出来ました。私は、歩を進めるたびに大きくなる霊的エネルギーを感じながら、ピラミッドの入り口へ近づいていきました。

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ピラミッド内部で受けた1つのメッセージ

最大の大きさを誇るクフ王のピラミッドは、高さ約140m、底辺の1辺の長さ約230m。遠くからきれいな四角錐に見えたピラミッドも、近くで見れば、無数の長方形の石の集合体です。そのクフ王のピラミッドの内部に、かつて盗掘用にあけられた穴だった入口から入っていきました。

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ピラミッド内部の通路は狭く、息苦しさを覚えました。最初にたどりついた女王の間では、体が上下に引っ張られるような感覚を味わい、さらに大回廊を通ってたどり着いた玄室では、今度は突然一つのメッセージを感じました。「ここはクフ王の墓ではない」積み重なった石の奥のほうから聞こえてくる声は、確かにそう言っていました。そして私は、玄室の一方の壁の奥のほうに、強いパワー発生スポットがあるという感覚を持ちました。


驚きの啓示を受けた1つのメッセージ

実はピラミッド内で、私はもう一つのメッセージを受け取っていました。
それは、「4年以内に2度、この地を再訪しなさい」というもの。そのことを同行のエジプト人ガイドに話すと、彼女はびっくりしていました。というのも、ピラミッド周辺は4、5年のうちに一時的にクローズするという話があるとのこと。クローズの理由は聞きませんでしたが、その後、ピラミッドのそばにあるスフィンクスで、そのヒントになるような発見をしました。

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頭は人間、体はライオンというスフィンクスの近くまで来たとき、私は、またしても一つのメッセージを受け取りました。それはなんと、「地下に、ピラミッドと同じものがもう一つ埋まっている」というもの。にわかに信じられない啓示ですが、ひょっとしてそれは真実なのかもしれないと私は思いました。この一帯は、亡くなった人の魂を天に上げていくための強力なパワースポットであり、そのために地上と巨大なしくみが建造された……。私は、そんなふうにも想像しました。

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そして、スフィンクスの背後に回りこんだとき、私はあるものを見ました。いや、透視したと言ったほうがいいかも知れません。スフィンクスの足元に空洞が見え、数百メートル離れたメンカウラー王のピラミッドまで延びる一本の地下通路が見えたのです。それは、オレンジ色のまっすぐな道でした。ガイドにそれを告げると、彼女は「一ヶ月前に来た中国のお坊さんが同じ事を言っていましたよ!」と再びびっくり。
私は、4、5年のうちに一帯がクローズされてしまうのは、巨大な地下建造物の調査をするためなのではないか、と理解しました。


ピラミッドを造ったのはエジプト文明ではない!?

さて、私がクフ王のピラミッド内部で感じた、「ここはクフ王の墓ではない」というメッセージは何を意味するのでしょう?クフ王のピラミッドやスフィンクスはおよそ4500年前に建造されたとされています。しかし、それは本当なのでしょうか。

私は、エジプト文明とは別の、もっと古い文明の匂いをこの地で感じました。それは、たとえば「アトランティス文明」。1万2000年ほど前に大西洋にあった大陸に栄えたといわれる王国ですが、アトランティスは当時、破竹の勢いでヨーロッパやアジアに侵略をしていたとも言われています。この謎の古代文明が、ピラミッド建造など、エジプトの地に何らかの影響を及ぼしたことも、まったくないことではないと考えます。

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「なぜ?どのようにして?謎に満ちたピラミッド建造

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王の墓、日時計、天文台、大洪水に備えたタムカプセル…など、ピラミッド建築の目的には諸説があるが、どの説が正しいのかはわかっていない。しかし、亡くなった王の魂を天上へ送るための装置だったという、古代エジプトの来世観に基づく説は、有力なものとして考えられている。ピラミッドが初期には階段状だったことから見ても、「天への階段」説は真実なのかもしれない。

また、ピラミッドは、その建築法についても多くの謎につつまれている。東西南北を正確に割り出している測量技術、ピラミッドの基底部を水平にする技術、そして何より平均2.5トンもの石を268万個もどのように運び込み、積み上げていったのか…。現代の科学を持ってしても、これらはなかなか解明できていない。
「ピラミッドは宇宙人が造った」―。あまりに謎が深いために、そんな説明に落ち着くのもしかたがないのかもしれない。




2006年3月「恋運暦」(イーストプレス)『オーラ紀行』